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求人倍率どこまで上がる?経済状況と人口減少が作る数値の変化

厚生労働省が12月1日発表した10月有効求人倍率(有効求人数÷有効求職者数)(季節調整値)は前月比0.03ポイント上昇の1.55倍となり、4カ月ぶりに上昇した。1974年1月以来、43年9カ月ぶりの高水準となり、全体として人材不足が顕在化している。「求人倍率●●年ぶりの高水準」という言葉は、最近の求人倍率のニュースで頻繁にでてくる。(株)DISCOの企業調査によると、2018年卒の新卒採用を増やした企業は全体の29.3%であり、減らしたという企業7.9%を大きく上回っている。若手を中心に、人材確保に策を練る各企業であるが、果たして今後どこまで、求人倍率は上昇し、どこで頭打ちをするのか、今後の社会情勢と人口・雇用状況から予測していきたい。
まず、雇用は来年の「2018年問題」で大きく変化されると予測される。非正規雇用者に対して、契約を更新しないというケースが多大に出ると予測され、転職市場に求職者が多く流入し、求人倍率は一時的に低くなると考えられる。ただし、「無期契約社員」という新たな雇用が生まれ、雇用継続を行う非正規雇用者もいるが、現在、非正規雇用者は労働者全体の約4割にあたるため、やはり求人倍率の低下に大きく影響すると思われる。
一時的に求人倍率は低下しても、2020年の東京オリンピックまで、建築業・サービス業を中心に人手不足はある。そのため、2020年にかけて再度、求人倍率は上昇し、2020年をピークに過去最大、もしくはそれ並みの求人倍率を記録するのではないだろうか。東京オリンピックに向け、経済は上向きになり、人材不足が顕在化することは必然といえる。
しかし、オリンピック後は、予測がつかないのが本音である。「経済好況・不況から雇用への影響は2年後になる」(例えば2008年9月リーマンショック後、新卒求人倍率の底は2011年卒)といわれる。オリンピック後の不況はほとんど逃れることはできないため、その後2022年を目途に、求人倍率は大きく低下すると思われる。しかし、バブル崩壊やリーマンショック時と明らかに違うのが、人口減少が顕著だということである。それがどれだけ倍率に影響するのかもあるが、その点は予測がつけ難い。

2020年までは、2018年問題もあるが、軒並み求人倍率は上昇を続けるであろう。しかし、2020年以降は、景気動向にも左右されるであろうが、大手人材各社でさえ予測をつけられないというのが本音である。各企業、今後の求人倍率、人材の動向などには注視することが重要である。そこから予測をつけ、人材戦略・経営戦略を立てていくことが重要となるのではないだろうか。

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