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求人倍率-人気職種「事務職」はいまだ高倍率 「事務職への転職」どう考えるか?

2017年4月の有効求人倍率は1.48倍(厚生労働省:一般職業紹介状況、5月30日発表)と、バブル期並みの数値を回復しており、今後も求職者優位の「売り手」は続くと予想される。
しかし、人気職種はいまだ狭き門である。同発表の職種別の有効求人倍率が以下のグラフになる。

ここから「事務的職業」や「運搬・清掃・包装などの職業」への就職がいまだに難しいことがわかる。中でも注目したいのが「事務的職業」である。

「事務的職業」に関しては、その人気は女性を中心に高く、求人倍率は0.36倍と競争は激しいようだ。なぜ競争が激しいのか、要因は大きく2つ考えられる。
第一に、「事務職」の離職率はかなり低いため、席が空かないということだ。事務職は女性がその大半を占めているが、女性の結婚・出産を機に退職するということが現代では少数になっていることも影響していると考えられる。
第二に、「安定して長く働ける」というイメージからか、人気が非常に高いということだ。狭き門に大勢の求職者が駆け込むという状態であり、今後もその人気状態に変わりはないだろう。

前職の働き方への不満など「ネガティブな理由」から転職を考える人も多く、そこから「安心・安定」を求め、「事務職」への転職を希望する人は少なくない。しかし、人工知能(AI)の発達から事務作業は自動化が進み、あと10年~20年の間に事務職から多くの失業者が出るとも言われている。未来の話なので実際はわからないが、狭き門な上に「安心・安定」が必ず実現されるかはわからない。
「長く安定して働ける」職種は他にもあり、イメージにとらわれず、仕事を選ぶ基準はもっと多様であってよいだろう。「安定」というイメージだけから事務職への転職を考えるのは危険とも思える。
ここから先、10年後、20年後の長い目でキャリアを考え、転職活動を行うことが非常に重要となるようだ。

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