企業活動の第一線で活躍する営業職。内外問わず、さまざまな人と関わりながら大きなプロジェクトに携わることも多く、やりがいや責任も大きな職種です。しかし、結果を出すまでは地道な活動も多いため、転職を考える方も。
営業職から転職(キャリアチェンジ)を考えたとき、「どんな仕事ならできるか」「年収はどのくらい変わるのか」「経験やスキルは生かせるのか」と、不安を感じる方も多いでしょう。そこで、この記事では営業職から転職するときのポイントや注意点をご紹介します。
営業職から転職したい女性は多い!その理由は?
営業職から転職したい女性は少なくありません。しかし、やみくもな転職活動は失敗のもとです。頭の中に「転職」という言葉が浮かんだとき、忘れてはいけないのが【転職したい理由を明確にすること】。あなたが今、「営業職から転職したい」と思う理由がどこにあるのか、しっかりと掘り下げるようにしましょう。
「ノルマにプレッシャーを感じる」
「人間関係やコミュニケーションが苦痛」
「休日も準備に追われて休んだ気になれない」
「デスクワークがうらやましい……」
あなたはどうでしょうか?たしかに、「しんどいな」と感じている状況が毎日続くのはとてもつらいですよね。では、この理由をもっと自分なりに掘り下げていきましょう。少し違った捉え方をしてみると、改善策が見えてきます。
「営業スタイルがかわれば問題がないのかも」
「人間関係が問題なら環境さえ変われば営業職として続けられるかも」
「ワークライフバランスを大切にした社風なら安心できる」
「外回りとデスクワーク、両方を自分の裁量でできたらいいな」
このように、マイナスな理由があっても見方を変えるだけで違った景色が見えることもあります。転職の際には必ずその理由を問われるので、はっきりと伝えられる理由があるのか改めて自分自身に問うてみましょう。
営業職から転職~ポイントと注意点~
営業職から転職したい女性のなかには、「転職したい理由」をじっくり考えた結果、より転職したい気持ちが強くなる方もいればそうでない方もいます。転職への気持ちが固まったときにどんなことに気を付ければいいのか、ポイントや注意点をご紹介します。
転職理由をカバーできていますか?
まずは、現職(前職)の転職理由をきちんとカバーできているかという点です。同じ理由で転職することがあっては、本末転倒です。冒頭でお伝えしたように、転職理由を明確にしておけば、同じ失敗を繰り返すことは防げますね。ここがきちんと考えられていないと、転職の際の面接でも筋が通らなくなってしまいます。
また、とくに女性であれば「長く働き続けられる環境かどうか」ということも大切です。出産や育児によってキャリアが途絶えてしまうことになっては悔しいですよね。産休・育休制度の充実度や実績、残業の有無など、女性が活躍できる環境かどうかもしっかりと調査しておきましょう。
これまでのスキルや経験を少しでも生かせますか?
つぎに、これまでのスキルや経験が少しでも生かせるかという点です。営業職から他職種へと転職する場合、たとえどんな業界に転職するとしてもその場所では「未経験者」です。ただし、これまで培ってきたスキルや経験は、未経験であっても生かせることがあります。少しでも生かせるものがないか、じっくりと自己分析と企業分析をしてまとめておきましょう。
企業へ伝えるときは、入社後のあなたをイメージしやすいように伝える工夫があるとより魅力的です。「こんなピンチをこんな風に乗り越えました」「こんなシーンではわたしのこんなところが役に立ちます」と具体的なストーリーで伝えるとよいでしょう。
極端に生活水準を下げるようなことはないですか?
さいごは、極端に生活水準を下げるようなことがないかという点です。営業職から他職種への転職では、年収の減少が目立ってしまうこともあります。営業職は、インセンティブなど成果によって報酬がつくことも多いため、人によっては転職で大きく年収を下げてしまうおそれもあるのです。
また、年収だけに限らず、企業それぞれで福利厚生や待遇も異なります。生活スタイルに変化が生まれると少しのことでもストレスを感じやすくなるので、今の生活が大きく変わってしまうことがないよう、丁寧に自己分析と企業分析をすることを心がけましょう。
営業から転職したい!キャリアチェンジ戦略
続いて、ここからは、営業からの転職を実現するためのキャリアチェンジ戦略をステップでご紹介します。
ステップ1:現状分析とキャリアビジョン
まず、自身の強みや弱み、そしてキャリアにおける目標を明確にしましょう。営業経験を通して培ってきたスキルは何か?どのような仕事に魅力を感じるか?将来どのようなキャリアを描きたいのか?これらの問いを深く掘り下げ、自分自身のキャリアビジョンを描き出すことが転職活動の成功に繋がります。
ステップ2:転職先の選定
営業経験を活かせる転職先を探すには、徹底的な情報収集が不可欠です。求人サイトや転職エージェントを積極的に活用し、自身のスキルや経験、キャリアビジョンに最適な企業を探しましょう。企業の事業内容や社風、働き方などを詳細に確認し、自分にとって本当にフィットする企業かどうかを見極めることが重要です。
ステップ3:応募書類・面接対策
応募書類の作成には、営業経験で培ってきたコミュニケーション能力や説得力を最大限に活かしましょう。簡潔で分かりやすく、自身の強みを効果的にアピールする必要があります。面接では、自身の経験を具体的に説明し、なぜその企業を選び、どのような貢献ができるのかを明確に伝えましょう。自信を持って、誠実に対応することが大切です。
ステップ4:新たなキャリアへの挑戦
前職での経験を活かしつつ積極的に新しいスキルを習得し、周囲と良好な人間関係を築く努力をしましょう。また、定期的に自身のキャリアを見直し、目標達成に向けて努力を続けることが重要です。
営業という世界を経験したあなたは、他の人にはない強みと経験を有しています。その経験を活かし、新たなキャリアで成功を収めるためにも、ぜひ前向きにチャレンジすることを忘れないでください。
営業の経験を活かせる!ノルマのない仕事とは?
何度もお伝えしていますが、営業経験は多くの企業が求める貴重なスキルセットです。しかし、どうしても数字やノルマは付きまとい「プレッシャーから解放されたい」と考える方もいるかもしれません。もし、そのような気持ちが強ければ、営業経験やスキルを活かしながらもノルマや数字にはとらわれない仕事を探してみるのがおすすめです。
営業スキルを活かせる、ノルマのない仕事の例
営業経験を活かせる、ノルマのない仕事は多岐に渡ります。具体的にどのような仕事があるのか、いくつか例を挙げながら見ていきましょう。
- 営業支援系:営業部を裏方から支える仕事です。営業計画の立案、資料作成、顧客データ管理など、営業活動の効率化をサポートする役割を担います。ノルマはありませんが、営業成績に大きく貢献するやりがいのある仕事です。数字を扱うことも多いですが、営業職の方にとっては数字を見るのは当たり前だったことも多いので、抵抗がないという方も多くいらっしゃいます。
- カスタマーサクセス:顧客の成功を支援する仕事です。導入後のサポートや、顧客満足度向上のための施策などを担当します。顧客との継続的な関係構築が重要となるため、営業経験で培ったコミュニケーション能力が活かせます。長期的な顧客関係を築き、企業の成長に貢献できる点が魅力です。
- コンサルティング:企業の経営戦略や営業戦略に関するコンサルティング業務の一部を担う仕事です。営業経験を活かし、顧客の課題解決に貢献できます。専門的な知識やスキルが必要となる場合もありますが、営業で培った傾聴力や分析力、提案力が役立ちます。
- 教育・研修講師:営業スキルを体系的に教え、育成する仕事です。営業経験を元に、実践的な指導を行うことができます。人材育成に貢献したい方にとってやりがいのある仕事です。
- 人事:営業経験で培ったコミュニケーション能力や人を見る目を活かし、優秀な人材を採用する仕事です。面接官として、候補者の能力や適性を的確に評価する必要があります。人材確保という企業の重要な役割を担うことができます。
これらの仕事は、営業で培ったスキルを活かしながら、ノルマのプレッシャーから解放される可能性が高いです。もちろん、それぞれの仕事には異なるスキルや経験が求められますが、営業経験は大きな強みとなります。
仕事を選ぶ際のポイント
転職で、営業以外の仕事を選ぶ際には、以下の点を考慮することが大切です。
- 自身のスキルと経験:どの程度のスキルや経験が求められるのか、自分の能力と照らし合わせて検討しましょう。得意分野を活かせる仕事を選ぶことが重要です。
- 企業の文化と社風:企業の雰囲気や働き方を事前に確認し、自分に合うかどうかを判断しましょう。ストレスなく働ける環境かどうかは、キャリア成功の重要な要素です。
- キャリアパス:将来的なキャリアプランを描き、その仕事が自身のキャリア目標に合致するのかを検討しましょう。長期的な視点で仕事を選ぶことが大切です。
営業経験を活かし、新たなキャリアを築くことは可能です。 やりがいのある仕事を見つけるためにもじっくりと検討し、最適な選択を行いましょう。 あなたの経験と努力は、必ず次のステージで活かされるでしょう。
「営業から事務へ転職したい」注意点は?
営業職から事務職への転職は、一見すると全く異なる職種のように見えますが実は多くの共通点があり、キャリアチェンジも可能です。しかし、注意すべき点もあります。事務職への転職を考えている方は、ぜひこれかららご紹介する事務職で活かせるスキルや経験、注意点についても知っておきましょう。
営業経験者が事務職で活かせるスキルや経験
営業職で培ってきたスキルや経験は、事務職でも意外なほど役立ちます。一見異なる職種に見えても、両者には共通点が多く存在します。営業経験者が事務職で成功するための秘訣をいくつかご紹介します。
- コミュニケーション能力:営業で磨いたコミュニケーション能力は、社内外の関係者との円滑な連携に役立ちます。正確な情報伝達や協調性のあるチームワークを構築する上で、非常に重要なスキルです。
- 問題解決能力:営業では様々な問題に直面し、解決策を見つけ出す能力が求められます。この能力は、事務職におけるトラブルシューティングや、効率的な業務改善にも活かすことができます。複雑な問題に対処し迅速に解決することで周囲からの信頼を得られます。
- 正確性と責任感:営業活動では、契約やデータ管理など、正確性が求められる場面が多くあります。この正確性は、事務職においても非常に重要です。細やかな作業を正確かつ責任感を持って行うことで、信頼できる事務担当者として評価されます。
- PCスキル:事務職で活躍していくためには、PCスキルが必須です。営業経験者の中には、顧客管理システムや営業支援ツールなどを活用してきた方もいるでしょう。これらの経験は、事務職に必要なPCスキル習得の大きな助けとなります。これまで以上にさらにスキルアップを図ることで、より効率的な業務遂行を実現できます。
営業から事務への転職:注意点
一方で、営業から事務への転職には注意すべき点もあります。キャリアチェンジのためには、これらの点を事前に理解しておくことが重要です。
- 仕事スタイルや評価:営業は、職場の花形。成果主義で常に動き続ける仕事です。一方、事務職はルーティンワークが多く、デスクワークが基本です。また、営業のように分かりやすい成果(売上や数字など)が見えずらいために、なかには「正しく評価をしてもらえない」と不満を感じてしまう方もいます。
- 年収:営業職には成果に応じたインセンティブなどがある企業も多いのではないでしょうか。事務職には、一般的にはインセンティブはないため、年収は営業職よりも低い傾向にあります。
- 人間関係:営業は顧客との関係構築が重要ですが、事務職は社内の人間関係が重要になります。チームワークや協調性を重視する職場が多いので、コミュニケーション能力を高める必要があります。もちろん、社内の人間関係にもコミュニケーションは必要ですが、コミュニケーションの役割や目標が異なっています。
項目 営業 事務 目的 顧客との関係構築と契約獲得 社内外関係者の調整とサポート コミュニケーション対象 主に顧客 主に社内(他部署や同僚) スタイル 積極的・共感的・説得力重視 正確性・効率重視 重要なスキル 傾聴・共感・説得力 調整力・文書管理力・迅速さ 営業は人との関わりを通じて売上や顧客満足度を高めることが目標であり、事務は円滑な社内サポートを通じて業務を支える役割です。それぞれの特徴を理解し、役割に応じたコミュニケーションスキルを磨くことが重要です。
- 将来性やキャリアパス:事務職は、専門性を高めることでキャリアアップを目指せます。現在、IT技術の進歩によって「AIに仕事を奪われるのでは?」と感じている方もいることでしょう。たしかに、現在すでに一部の業務はAIへと代替がすすみ業務効率化が進んでいます。しかし、まだまだ人間にしかできないことも多く、すべてをAIが担うということは考えにくいです。資格取得やスキルアップに積極的に取り組み、キャリアパスを明確にすることでやりがいのある仕事につなげられます。
これらの点を踏まえ、営業職からの転職を慎重に考えてみてください。自身の適性とキャリアプランをしっかりと見極め、最適な転職を実現していきましょう。
【営業から転職】ストレスフリーな状態を作って解決!
営業から転職を検討している人にとって、さまざまなストレスやプレッシャーが少しネガティブな気持ちを大きくしてしまっているのかもしれません。しかし、そのストレスやプレッシャーは”営業”という仕事ではなく、職場や人間関係、その他自分を取り巻く環境などが影響しているおそれもあります。自分にとってストレスフリーな状態はどんな状態なのか、じっくりと考えてみると何か答えが見つかるかもしれませんよ。
ストレスフリーな職場環境を選ぶポイント
ストレスフリーな状態を作るために、ここでは参考として職場環境の選び方についてご紹介します。仕事を選ぶ指標のひとつとして、ぜひ参考にしてください。
- 風通しの良い社風:意見を言いやすい雰囲気、上下関係がフラットな職場は、ストレスを感じにくいです。社員同士のコミュニケーションが活発な職場を選ぶことが重要です。
- ワークライフバランス:残業が少ない、休日休暇がしっかりとれる職場は、プライベートを充実させ、仕事と生活の調和を保てます。自分の時間を大切にできる環境を選びましょう。
- 柔軟な働き方:リモートワーク、フレックスタイム制など、柔軟な働き方ができる職場は、自分のペースで仕事に取り組めます。ライフスタイルに合わせた働き方ができるか確認しましょう。
- 教育制度:スキルアップのための研修制度が充実している職場は、成長意欲を高め、自信を持って仕事に取り組めます。キャリアアップを目指せる環境を選びましょう。
これらのポイントを考慮し、自分の価値観やライフスタイルに合った職場を選ぶことで、より充実したワークライフを実現できます。求人情報だけでなく企業の文化や社風をしっかり調査することが重要です。
”営業経験”それは、あなたの最大の武器
営業から転職を考えている人は、転職によってこれまでのどんなスキルや経験がどのようにして活きていくのか、少しはイメージができましたか?営業で培ったコミュニケーション能力、交渉力、問題解決能力、目標達成力といったスキルは、多くの企業から高く評価されます。 これらのスキルを武器に、新たなキャリアを築き、更なる成長を目指しましょう。 過去の経験を活かし、新たなステージで活躍できるよう、積極的に行動を起こしてください。
クラスにご相談に来られた方の中には、営業からさまざまな職種へと転職を成功させた方がいます。また、転職を考えた結果、営業→営業への転職を決め、営業職として年収アップを実現された方も多数おられます。このように、答えは「営業から異職種への転職」が正解ではありません。これまでの経験やスキルがどんな風に活きてくるのか、どんな風に活かすのかは、あなた次第です!ぜひ、新たな未来に向かって一緒にチャレンジしてみましょう。
まずは、お気軽にご相談くださいね♪
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