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「ブラック企業」その基準はどこにある?学生と企業の認識の差

「ブラック企業」と聞いて何をイメージするだろうか。「長時間労働」「不当な賃金体制」「社員定着率の低さ」などなど・・・イメージは多様であろう。「ブラック企業」という言葉が2013年流行語となって久しいが、その言葉自体が多様に展開され、またその言葉の影響力も強い。一度、ブラック企業というレッテルを貼られると、世間から厳しい目でみられる。そのため、労働環境の是正のための抑止効果を果たしている。
イメージしやすく、明快な言葉である「ブラック企業」、しかしその言葉に対する認識が危ういことになっている。つまり、「ブラック企業」という言葉が独り歩きし、簡単に使われすぎ、それが「一般の企業」にまで使われかねないことになっている。もっとも若者の「ブラック企業」という言葉に対する認識は厳しい。

(株)DISCOは、201年就活生(1225名)を対象に、「ブラック企業」に関する調査を行っている。就職先選びの際に「ブラック企業」と判断した要因は「残業代が支払われない」が78.4%でトップ――そんな結果が発表された。以下「セクハラ・パワハラがある」(66.6%)、「成果を出さないと精神的に追い込まれる」(66.5%)と続く。
ブラック企業と見なす目安を項目別に聞いたところ、新卒社員の入社後3年の離職率は「3割」が32.1%で最多。1カ月の残業時間は「40~60時間未満」(27.2%)、年間の有給休暇取得日数は「5~10日未満」(43.6%)がそれぞれトップだった。

採用側からすれば、この基準はさすがに厳しいと感じるのではないだろうか。あくまで目安ではあるが、上記項目いずれかに該当すれば、否応なく「ブラック企業」という汚名を着せられる。同調査は採用担当者にも同様の質問を採用担当者にも行っているが、就活生との乖離は大きい。(例えば月の平均残業時間は100時間~120時間未満24.7%がトップ)

(株)DISCOこの学生の認識に対し、「学生が抱く(ブラック企業に対する)イメージは、企業側にはシビアな結果ではないだろうか」と指摘。企業の採用担当者からは、「ブラック企業という言葉が学生の間で独り歩きしている」との感想が寄せられたという。

就活生が、社会人になればその認識は変わるであろう。しかし、現在の学生が抱く「ブラック企業」のイメージはやや労働時間が長いなどという会社にまで該当させられる。もちろん、長時間労働の是正など企業の努力は必要である。ただ、少し改善点があるからといって「ブラック企業」と一言でまとめられるのはいかがなものか。
使いやすい言葉だからこそ、その危うさについて考えなければならない。「企業側が意識を高く持つことが必要。時代の流れに乗り遅れると、いつの間にかブラック企業の烙印(らくいん)を押されてしまいかねない」(マスコミ)という意見もみられるが、まさに若者の企業イメージを再確認しておく必要が企業にはあるようだ。

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