企業の縁の下の力持ち、事務職・アシスタント職。以前から人気のある職種ではありますが新型コロナウイルスの影響は大きく、企業優位の買い手市場となった今、事務職を希望する求職者にとっては求人を探すのに苦労しているかもしれません。
今回は、コロナ禍における事務職を取りまく市場や今後の動向をふまえ、事務職採用での注意点などをします。
現在の転職市場
まずは、現在の転職求人倍率を見てみましょう。ご覧のとおり、事務職の有効求人倍率は「0.18」と0に近い数値です。事務職/アシスタント職はもともと人気の職種で「土日休み」「デスクワーク」「残業が少ない」などの条件から、新しい求人にはすぐに求職者が飛びつくような状況です。前月比は「+0.02」とほとんど横ばいですが、前年度同月比は「▲0.14」と低くなっており、少なからず感染症の影響を受けているといえるでしょう。
他の職種に比べると数値は低く、事務職への転職・就職を望む求職者にとっては難易度が高い状況が長年続いており、企業にとっても現在のようなコロナ禍においては優秀な人材と出会うのに苦労する局面ともいえます。
出典:doda 転職求人倍率レポート(2020年11月)「職種別の転職求人倍率」(https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/)
事務職を取りまく今後の市場動向
昨年11月から新型コロナウイルスの第3波が訪れ、前日関東の一部地域では2回目の緊急事態宣言が発令されました。現在、関西では緊急事態宣言は発令されていないものの、いつ発令されてもおかしくない状況です。
しかし、昨年4月に発令された緊急事態宣言のときと比べ、企業における採用活動には少し違いがあります。前回の緊急事態宣言から約9か月、企業ではオンライン選考を導入するなど工夫がみられました。そのため、すでにそのような工夫がとられた企業では、採用活動への影響は前回ほど大きなものではないと考えられます。
なかには「まだオンライン化が追いついていない」「なかなかいい人材を採用できていない」という企業さまもいらっしゃるかもしれませんが、人事異動や転職者が増える春に人材不足で困らないよう、年明けの今から人材確保の準備を進めておかなくてはなりません。
求人は減少傾向、優秀な事務職を採用するには?
毎年春には人事的観点から転職者や人事異動が増えるため、それにともない年明け~3月には求人も増えてきます。とはいえ、厚生労働省の発表によると、昨年11月の事務職の新規求人数は、「▲32.7%(前年同月比)」(参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和2年11月)」https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00049.html)と大きく減少しており、季節的な上昇にとどまると予測されます。
現在の経済状況や業務のRPA化(自動化)推進も考慮すると、今後も事務職の求人数は減少傾向にあると考えられます。そのため、現時点で事務職の人材不足に悩んでいるのであれば、優秀な人材を逃さないためにも先読みした早めの採用活動がポイントとなるでしょう。
採用担当者は、「コロナ禍」を意識しつつ優れた人材を見極めることが大切です。選考時には、以下のような資質を持っているかどうか、判断基準のひとつとして参考にしてみてください。
専門的な知識を持った人材か
事務職というとPCスキルが必須ですが、現在業務が少しずつRPA化されつつあり今後も進んでいくと予測されます。そのため、単に「業務をこなす」ことに優れた人材では物足りません。ある分野に関して専門的に学んできた人材、前職でも同じような業務をおこなっていた人材を採用すると失敗が少ないでしょう。
たとえば、経理事務や会計事務、人事や秘書などはとくに経験や知識が必要です。もちろん、未経験だからといって選考からすぐに外すのは得策ではありません。前職の経験や仕事への取り組み方などが自社に適していれば、少し時間がかかっても育成する価値はあるでしょう。ただし、「即戦力」を求めるのであれば、やはりこれまでの経験やスキルを重視する方が成果の反映も早いでしょう。
●【参考:選考での質問】
これまでの業務や業務で使用した専門ソフト、または基本的な業務のほか、専門的におこなっていた業務などがないか、詳しい仕事内容を聞いてみる。
正確性のみならずスピーディーな行動力があるか
また、事務職には業務推進における正確性は非常に重要なスキルですが、それに加えてスピーディーな行動力も欠かせません。コロナ禍においては、これまでのような採用活動はできないため、できるだけスピーディーに動くことがカギとなります。そのため、正確に、かつスピード感をもって自ら行動できる人材かどうか見極めましょう。
●【参考:選考での質問】
業務効率化のために工夫したことや他部署との連携で苦労したこと、またはその改善策に関することなど、これまでに実践したエピソードを聞いてみる。
変化に動じない柔軟な対応力があるか
コロナ禍では日々市場も変化しやすいため、変化に強い人材も企業にとって重要な役割を果たします。業種によって仕事内容は異なりますが、細かいチェックが必要な書類の作成や管理、データの集計、来客応対、電話対応など、実に幅広い業務をこなしている事務職が、常に冷静で柔軟に対応してくれるだけで社内は円滑にまわります。変化に動じず、落ち着いて対応できるしなやかな人材かどうかを見極めることが大切です。
●【参考:選考での質問】
ピンチのときにどのように解決しようとするか、うまくいかないときに周囲とどのようにしてコミュニケーションを図っているのか、仕事に対する価値観や課題との向き合い方を聞いてみる。
こんな人は注意!採用段階で見極めよう
事務職は人気の職種であるため求職者は集まりやすいですが、その分選考の段階で人材を見極めなくてはなりません。
- ストレス耐性が低い
- 離職回数が多い
- コミュニケーション能力が低い
- 明確な理由がなく事務職を希望している など
採用担当者は、このような人材でないか慎重に見極めるようにしましょう、ただし、事務職といっても、一般事務のほかにも営業事務、経理事務、金融事務などがあり、仕事内容によって求める人材や向いている資質は異なります。
コツコツ自分で進める仕事が多いなら「飽き性」の人には退屈でしょうし、他部署や顧客とのコミュニケーションが必要な職場なら「人と話すのが苦手」という人にはストレスが大きくなります。自社の仕事内容や特徴と照らし合わせて考えることが重要です。
【さいごに】クラスでの成功事例をご紹介
さいごに、弊社をご利用いただいた転職者さまのなかから、事務職としてご活躍されている方の好事例をご紹介いたします。
——————
Aさん 営業事務から経理事務へ
営業事務として長年活躍されていましたが、社内のシステム導入が進み自身の仕事量の変化に危機感を感じ転職を決意。変化を敏感に察知し先手で行動した結果、スキルを身につけて成長できると感じた経理事務へと転職が叶いました。
——————
Aさんだけにかかわらず、弊社には「自身のスキルアップや成長」を求めて転職を希望される女性が多いのが特徴です。これまでの経験を活かしつつ、さらに成長できる環境を求めて転職を希望する方は自分の市場価値に敏感で、業界や職種にかかわらずどんな環境でも前向きに行動できるでしょう。
事務職は、業務のRPA化(自動化)が進むにつれ、機械にはできないより高度なスキルを求める局面へと移っていきます。未だ不透明な状況ではありますが、企業は業務効率化や自動化を進めるとともに、「事務職でも成長できる」「スキルを磨ける」と感じられる環境を整え、市場の変容に対応しながら人材確保・育成に力を入れていきましょう。
「なかなかいい人材に出会えない」「効率よく質の高い人材と出会いたい」とお考えでしたら、ぜひ一度弊社にご相談ください。
\ ただいまアンケート実施中 /
クラスでは、ご利用いただくみなさまによりよいサービスをご提供するため、定期的にアンケートを実施しております。匿名かつ短時間でお答えいただけるアンケートでございますので、ぜひご協力をお願いいたします。
ご回答いただいた内容につきましては、適切に管理いたします。一部のアンケート結果は、弊社が掲載するニュースフィードにアンケート結果としてご紹介することがございますのでご了承ください。