ママのRework

日本のパパに対する育児支援の遅れ。ママへの負担に影響も。

「日本の男性は育児をしない」と言われているようですが、それは本当なのでしょうか。

近頃は、育児を積極的に行う男性を「イクメン」と呼ぶ。育児に対する男性の意識は、昔の高くなっている。

しかし、日本の男性は海外の男性に比べ、家事・育児に携わる時間が短いことが内閣府の調査でわかった。この調査では、6歳未満の子供を持つ男性の家事関連時間について調べた。その結果、スウェーデンやアメリカなど諸外国の男性の家事時間は、1日当たり3時間以上であるのに対し、日本の男性は約1時間と非常に短く、先進国中最低の水準であった。

海外ではどのような対策がとられているのだろうか。例えばスウェーデンでは、育児休業を子どもが8歳になるまで取得でき、父親と母親の休業期間が平等に近いほど、税額控除となる制度がある。育児休暇中の給与も最大77.6%支給され、男性の育児取得率は90%近くある。ドイツでは、父親の育児休業を促進するため、最低2か月間の育児休業取得することを推奨する「両親手当(Elterngeld)」が導入され、男性の育児休暇取得率は30%を超えた。

このように、海外では夫が育児に対し積極的に行動できるように、フレックス制度や短時間勤務、育児休暇などの制度を備えた企業が多く、家庭のために時間を調節して働ける環境が整っている。

一方、日本では2009年に育児・介護休業法が改正され、男性も子育てしやすい社会の実現に向けて「パパ・ママ育休プラス」制度を導入した。そして、男性が育児休業を取得しやすい環境づくりに取り組む「イクメンプロジェクト」をスタートさせた。これらの取り組みが実施されているにもかかわらず、男性の育児休暇取得率は約2%に留まっている。

男性が育児休暇を利用できない理由としては、収入の減少、昇進や給与への影響、休暇期間の仕事の分担、職場の理解が不十分などがある。結果的に、今の日本は‟パパが育児をしづらい国”ということだ。制度があるにもかかわらず、利用できないのでは意味がない。

また、男性には「イクメン」という言葉があるのに対し、女性には「イクウィーメン」などという言葉は存在しない。なぜか、それは‟女性が家事や育児をすることは当たり前”という固定観念があるからであろう。だから、夫に‟育児を手伝ってもらう”という表現が使われる。この言葉もよく考えると少し違和感を感じてしまう。本来は‟育児や家事をする”という表現ではないか。多くの日本人にとって、育児や家事は女性がするものという固定観念が根強い。このままでは、いつまでたっても男性が家事や育児に携わる時間が増えない。

共働き世代が増加傾向にある今の日本では、「男は仕事、女は家庭」という性別で役割分担を考える時代ではなくなっている。職場だけでなく、家庭においても男女平等が求められる時代である。

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