20代女性は、結婚や出産など人生における大きなライフイベントに遭遇することも多く、それによる心身の変化や周囲の環境変化もあり転職を考える人が多いです。早いうちから事前にライフプランを明確に立ておけば想定外の転職を防ぐことはできますが、なかなかすべて思い通りにはいきません。では、「転職」を考えたとき、比較的経験やスキルが少ない20代はどんな強みをもって転職に挑めばよいのでしょうか。
20代女性の転職割合
下図の厚生労働省の調査によると令和2年の1年間の20代女性の転職入職率（一般）は、20代前半で14.3％、20代後半で13.8％です。19歳以下を除けば、20代前半の女性の転職入職率が最も高いことが分かります。ただし、パート労働者を含んで見ると、20代後半の転職入職率が高くなる傾向にあることが分かります。20～30代の女性は、結婚や出産・育児によって大きくライフスタイルが変化するため、雇用形態をはじめ働き方にも変化があるからだろうと推測できます。
出典：厚生労働省「令和２年雇用動向調査」
20代女性の転職理由
また、厚生労働省の調査によると、20代女性の主な転職理由は「職場の人間関係が好ましくなかった」（14.8％）「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」（12.5％）という、職場への不満が目立ちます。さらに、20代前半と20代後半で転職理由を比べてみると、「結婚」が0.1％から2.2％へ、「出産・育児」が0.1から0.8へと増えています。また、20代後半では「給与等収入が少なかった」という理由も目立ちます。
これには、年齢にともなって環境が変化してきたなかで、勤続年数と年収が見合っていなかったりライフイベントによって経済面に不安が出てきたりするなどさまざまな理由が考えられます。
20代女性の転職で求められていること
先述したように、20代の転職といっても20代前半と20代後半では転職に対する立場や考え方が異なっていることがよくわかります。それぞれの立場に立ったとき、転職市場で求められていることはどんなことなのかみていきましょう。
20代前半
- 最低限のビジネスマナー
- 仕事に対する熱意と柔軟性
20代前半の女性は、社会人になってまだ年数は浅く中途採用市場では「第二新卒」とも呼ばれます。他の年代に比べて経験やスキルは少ないですが、その若さを生かして転職できる可能性が高いです。つまり、未経験であっても転職できる可能性が高いということ。もちろん最低限のビジネスマナーは必要ですが、仕事に対する熱意やチャレンジ精神を買って採用してもらえることもあります。未経験だからといって諦めてしまうのではなく、もし挑戦したい仕事ややってみたいことがあればぜひ積極的に行動することをお勧めします。
20代後半
- 即戦力となる経験やスキル
- ポテンシャルの高さ（成長性）
20代後半の女性は、社会人経験は浅くともある程度のスキルや経験を求められます。基本的なビジネススキルに加えて、経験に基づいたスキルが必要です。いわゆるポータブルスキルとも呼ばれ、これまでの仕事を通して身に付いたスキルや強みは業界問わず必要とされるスキルです。このポータブルスキルを確かめる方法の一例として、「STAR」という手法があります。
S：どのような状況で（Situation）
T：どのような課題があり（Task）
A：どのような行動をして（Action）
R：どのような成果を出したか（Result）
選考では、職務経歴書や面接を通しこれまでの経験に基づいて身に付いたスキルを判断します。そのため、これらをより具体的で分かりやすく伝える能力も必要です。「STAR」をで具体性の高いエピソードを用いることで、高い専門性はなくとも転職先での将来性が期待できる人材だとを伝えることができます。
20代前半と比べると未経験求人での採用は減少しますが、それでも30代以降に比べれば未経験業界に挑戦しやすい年代です。もちろん「ステップアップするため」の転職として同業界での転職もよいでしょう。大切なのは、今後のポテンシャルとポータブルスキルをしっかりと伝えることです。
転職で活かせるスキルの例
では、実際にどんなスキルがあればどんな風に転職で役立つのかを考えていきましょう。20代ではまだまだ専門スキルがない人は多数います。そのなかで「スキルがないから転職は厳しいかも」「自分の長所が分からない」と不安に思っているだけでは何も変わりません。「できること」「やりたいこと」をはっきりさせ、自分自身の強みを明確にしてみましょう。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルはどんな仕事においても役に立ちます。コミュニケーションがいらない仕事は多くの場合すでにAIに変わり、これからもその傾向が強くなっていくでしょう。そのため、どんな仕事をするとしても「人との関わり」が大切です。また、コミュニケーションといっても「聞く」「伝える」「連携する」などさまざまなスキルがあります。自分の経験をふまえ、どのスキルを今後も活かしていけるのかを棚卸してみると具体性がでてくるでしょう。
OAスキル
業務によって、WordやExcel、PowerPointなど、応用的に使えるソフトがあればあるほど職場では重宝されます。とくに、Excelの四則計算や応用関数、マクロなどを使えれば多くの業界で役立ちます。また、これらは決して事務職だけが求められるスキルではなく、営業、マーケッターなど幅広い職種で活用できます。数字に強いことは大きな能力であり強みです。
仕事に対する熱意、前向きなスタンス、主体性
20代という若さを生かした転職なら、仕事に対する熱意や前向きなスタンスは必須です。「難しそうだな」と思うことも、今の内から自発的に取り組んでみることで、この先のキャリアや自分自身の価値観にも大きく影響してくるでしょう。
実行力、課題発見力、創造力、クリエイティブ性
仕事において、顕在的な課題を解決するだけでは成果を上げることに限界があります。そのため、社内やクライアントが掲げる目に見えない潜在的な課題をいち早く発見し、解決していかなくてはなりません。また、他社よりも早く、他社が考え付かないことをやってみせることも重要です。柔軟でクリエイティブな発想が成果へとつながります。「自分だからできること」これを達成したとき仕事の本当の面白さを感じられるでしょう。また、成長を実感するときでもあります。
注意！転職でよくある失敗
転職活動でよく起こりやすい失敗をご紹介します。「後悔のある転職」とならないよう、しっかりと事前準備をおこなうようにしましょう。
- 求人内容をよく確認していなかった
- 転職目的をはっきりしていなかった
- 将来やキャリアプランを考えていなかった
- 企業研究を丁寧に行わなかった
どれも「情報不足」によって起こりうることです。先述したように、転職は「どれだけの情報をつかんでいるか」が重要です。転職市場のこと、企業のこと、ましてや自分のことをしっかりと理解していない状態では理想の転職を実現できるはずはありません。しかし、意外にもこのような方は多いです。
「とにかく今の会社を辞めたい」「また転職すればいい」「この企業は福利厚生や制度が手厚いから安心」など短絡的に考えてしまうのは失敗のもと。しっかりとキャリアの棚卸をして、なぜ今回転職を希望するのかその理由を明確化させておくようにしましょう。
転職はプロの手を借りるべし
20代の転職は、きっと知らないことや分からないこと、不安なことが多いはずです。中途採用市場の現状、会社情報、書類の書き方、年収交渉、面接対策……考えることがたくさんあります。在職中であれば、業務後や休みの日に時間を割くのは大変です。そこで、ぜひ転職の際は転職エージェントをうまく利用してほしいのです。転職エージェントであれば、転職のあらゆる業務を代行してくれるので効率よく転職活動ができます。
クラスは女性特化の転職サポートが強み
当社クラスは、20~30代の女性に特化した転職支援を強みとしています。女性を積極的に採用している企業や国が認定している優良企業などの案件も豊富に取り扱っており、約2000件以上の求人からヒアリングを通して最適な求人をご提案します。女性スタッフも多く、女性特有の不安やお悩みに対しても親身になって解決策を考えます。20代の転職は、これからの人生を豊かにするためのスタートです。ぜひ一緒にがんばっていきましょう。
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