新型コロナウイルス感染拡大によって、採用活動にも変化がありました。「Web説明会」「オンライン面接」など、慣れないことで不便を感じた担当者も多かったのではないでしょうか。とはいえ、昨年と比べれば徐々にコロナ禍での採用活動にも慣れつつあり、採用活動を活発化させている企業も増えています。今後の状況次第ですが、オフィス勤務が徐々に戻りつつあるなかでも、さらにオンライン採用が本格化し主流となる可能性も十分あります。
そこで、今回はオンライン採用の現状や課題、オンライン採用を成功させるために大切なことなど、採用を取りまく状況と変化について解説していきます。
オンライン採用の現状
じつは、「オンライン採用」という選考方法は以前から取り入れられていました。遠方に住む候補者とのコミュニケーションをはじめ、とくに中途採用では在職中の方も多いため、時間や場所に制限されず、効率よく選考できるようにといくつかの企業ではすでに活用されていたのです。しかし、昨年4月に緊急事態宣言が出されてからは「感染症予防」という観点で注目されるようになりました。
エン・ジャパンの調査によると、「面接をオンラインにしている企業は全体の何割程度ありますか?」という質問に対し、約30%の転職コンサルタントが「約50%以上の企業が最終面接まですべてオンライン」で面接をしているという結果がでており、多くの企業でオンライン面接が実践されているのが現状です。
参考:エン・ジャパン株式会社「中途採用における「オンライン選考」実態調査―『ミドルの転職』転職コンサルタントアンケート―」
オンライン採用の課題
新型コロナウイルス感染拡大を機にオンライン採用の導入は加速しましたが、実際にオンライン採用を導入・実施してみて初めてわかる問題や課題もありました。
■候補者との間にある課題
- 通信環境によるコミュニケーションのタイムラグ
- セキュリティー面での懸念
■面接官や企業の課題
- オンライン体制を整えるコスト
- 面接官の経験不足による人材評価軸のブレ
このように、比較的対面では起こりにくい問題や課題に気づいた担当者も多いのではないでしょうか。とくに、コミュニケーションという観点で企業と候補者双方が不便を感じていることが多いようです。
面接は、筆記試験や適性検査とは違い、コミュニケーションにおける話し方や印象、資質など対面だからこそ得られる情報がある貴重なチャンスであるため、コミュニケーションに不便を感じてしまうのはマイナスだといえるでしょう。
それでもオンライン採用にはメリットも
しかし、それでもオンライン採用にメリットを感じている企業も少なくありません。もちろん、先に述べた「感染症予防」も大きなメリットですが「即戦力採用」という観点においても大きなメリットがあるのです。
コロナ禍においては、市場全体で新卒採用が縮小され中途採用に注力している企業も増えています。つまり、企業としては即戦力となる人材を求めているわけですから、当然在職中の方が多いのも事実です。そこで、時間や場所の制約がなく比較的スケジュールを組みやすいオンライン採用は大きな魅力であり、優秀な人材に出会うためには有効なツールと考えられます。
オンライン採用で大切なのは「非言語情報の把握」
ただし、オンライン採用で円滑にコミュニケーションをとることができれば「対面と同じ」といえるかというと、そうではありません。オンライン採用で大切なのは「非言語情報の把握」をどれほどできているかという点です。
コミュニケーションとは簡単にいえば「会話」ですが、オンライン採用ではそれ以外のしぐさや反応も重要です。たとえば、アイコンタクトやリアクション、会話での相槌や話し方、表情など、言葉以外にも相手の意思を読み取ることができますよね。
オンライン採用では、通信環境などによって相手の言葉を聞き取ることに必死になってしまうこともありますが、候補者のしぐさや表情がその人の人柄や雰囲気を読み取るヒントになるのです。オンライン採用には企業も候補者もある程度の慣れは必要ですが、対面でその人の雰囲気を感じられないからこそ、できるだけ会話の内容以外にも目を向けキャッチしようとすることが大切です。
オンラインとオフラインを使い分けることも重要
ただし、どうしてもコミュニケーションに不安が残ってしまったり双方の意思を伝えきれていなかったりする場面もあり、互いにやりきれない気持ちになることもあるでしょう。このような場合は、感染対策を十分におこないながらも、短時間であっても対面で話ができる機会を設けたりオフィス見学を設けたりするなどして、少しでも互いに印象付けるような工夫をおこなってみるとよいのではないでしょうか。
今後の採用は?「オンライン継続」が80%以上という結果も
今後の採用のあり方については、感染症の影響によっても変わってくるかもしれません。現段階では、今後もオンライン採用の導入・実施は多くの企業で継続されるといってもよいでしょう。
以下の調査では、「WEB面接の満足度と今後の利用意向」について40.2%が「満足しているので、今後も利用する」と回答しています。また、47.1%が「不満足だが、今後も利用する」と回答しており、全体の87.3%がオンライン採用の継続を検討しています。不便さを感じつつも、感染予防や時間的な制約がある人材ともコミュニケーションを図ることができる点は評価していると推測されます。
参考:マイナビ「中途採用実態調査(2020年)」
採用を全面的にアウトソーシングする知恵も
オンライン採用の導入によって効率よく採用活動ができている企業もあれば、「オンライン面接時と実際にあったときの印象が違った」「面接官のオンライン面接の経験が少なくうまくいかない」など、さらに課題が浮き彫りになったという企業もあります。じっくり向き合いすべてを解消できればよいですが、このような状況ですので「採用ばかりに人手を割くことができず苦労している」という声も企業の担当者様からもお聞きします。
そのようなときは、採用活動自体をアウトソーシング化してしまうという方法もひとつです。中小企業様の場合でしたら「人事部」「採用担当」として、弊社のような人材紹介会社を採用の窓口として大いに活用してみてはいかがでしょうか。
採用活動はとても時間がかかるうえ、ノウハウも必要な業務です。人材紹介を利用すれば、募集要件を満たし「適した能力がある」と判断される人材を紹介してもらえるため、膨大に届く書類をチェックしたり合否連絡したりする手間も省けます。人材紹介を利用するメリットについてはこちらの記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
関連記事:採用の失敗、繰り返してない?人材紹介会社を利用するメリット
クラスは少数精鋭で密なサポートを心がけています
弊社は、関西を中心に人材紹介をおこなっております。大手人材紹介会社様のようにたくさんのコンサルタントが所属しているわけではありませんが、少数精鋭で情報交換をしあい、企業の採用担当者様と密な関係を築いてこれまでも多くの転職者様をご紹介してきました。ありがたいご評価もいただいております。
人材紹介を利用したことがない企業様も、他社様をご利用中の企業様も、ぜひ弊社のことを知っていただき、一度お話しさせていただきたいと思います。
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