Webを中心に、さまざまな媒体や制作物に携わるクリエイティブ職。コロナ禍でさらにインターネットビジネスが主流となった今、「優秀なクリエイターやデザイナーの確保に力を注いでいる」企業も多いのではないでしょうか。しかし、近年のニーズの高まりにともないクリエイティブ職の採用は難易度も高くなっています。
この記事では、IT市場の変化にも着目しながら、クリエイティブ職を取りまく現状や優秀なクリエイター・デザイナーを採用するためのポイントを解説します。
コロナ禍のクリエイティブ職の転職市場
新型コロナウイルス感染拡大にともない、多くの業界で採用活動が中断され求人数も急減しました。しかし、徐々に企業も環境整備などをおこなって対応できるようになり、ウイルスの脅威がなくなったわけではありませんが徐々に求人数も戻ってきています。
クリエイティブ職も同様で、極端に採用活動がおこなわれていないということはなく、むしろ近年のWeb媒体・インターネットサービスのニーズの高まりもあり市場では求められる職種であるともいえます。
しかし、採用においてこれまでと違うのは「スキル重視」「即戦力採用」がメインとなっていることでしょう。
とくに求められている人材
「クリエイティブ職」といってもさまざまですが、今とくに求められるのはWeb媒体に強いWebデザイナーやWebディレクターです。クライアントの要望や潜在的な悩みをヒアリングし最適なWebコンテンツを作り上げる職種です。ディレクターとなれば、コンテンツ制作に携わるチームをまとめるリーダーシップやマネジメント能力も必要になります。
また、近年注目されているUIやUXに関する知識や経験が豊富な人材も採用ニーズが目立ちます。単にWebコンテンツを作り上げるだけでなく、ユーザー志向を持った人材が求められます。
使いやすいコンテンツを作成したり、製品やサービスを通して新しい体験をもたらしてくれるコンテンツを提供してくれたりするなど、いわば「自社のファン」をたくさん生み出し企業成長を支えていく人材にこれまで以上にスポットがあてられています。
クリエイティブ職採用が難しい理由
このように、クリエイティブ職は近年とくにニーズの高まりがみられ人気のある職種ですが、採用担当者からは「採用は難しい」という声もよくお聞きします。その理由はどこにあるのでしょうか。
理由1.急速なITニーズの高まり
今はWeb媒体・Webコンテンツが主流となってきました。限られたものだけがITを使用するのではなく、生活のあらゆるシーンでITを駆使することが常識となっています。しかし、ITが進化していく一方でIT業界全体は人材不足という問題に直面しています。
出典:経済産業省「IT 人材需給に関する調査」
上記の調査によると、2030年にはIT業界の人材不足は最大で約79万人に達するといわれています。これには、少子高齢化にともなう労働人口の減少が大きな一因と考えられますが、IT業界特有の市場変化のスピードや急速なトレンドの移り変わりも大きな要因です。
世界中で新しい技術が開発され、新製品が考案・発売され、翌年にはまた新たな技術が生まれて……と、スピーディーに変化する市場に対し対応できる知識とスキルを持った人材を確保できないことが大きな課題です。市場全体で人材不足であるため、企業規模に関わらず多くの業界・企業で優秀な人材を取りあっている状況といえます。
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理由2.要件に見合う人材の少なさ
また、他の職種に比べて制作やITの基礎スキルのほか、業務によってはそれにかかる高度な知識を必要とする職種であるため、採用要件に見合う人材の母数が少ないことも要因のひとつです。
とくに、現在のコロナ禍では即戦力を求められる傾向が強く、制作スキルのほかマネジメントスキルやスケジュール管理スキル、ブランディング戦略に関する知識など、幅広い知識を必要します。もともと他の職種に比べて層が薄いクリエイティブ職市場から、上記のスキルをもった人材を見つけるのは難しいと予測できるでしょう。
理由3.フリーランスの増加
また、フリーランスの増加も採用を難しくしている要因のひとつです。ITの進化にともない、時間や場所にとらわれず柔軟に働くことができるようになった時代です。とくに、業務の中で作業が多くなるデザイナーやクリエイターにとってはこの柔軟性が非常に魅力的で、フリーランスとして活躍する方が多くいます。
また、大手IT企業の例を挙げれば、完全テレワークで新規プロジェクト企画に携わることができるなど副業としてコンテンツ制作に携わる方も多く、コロナ禍も影響して今後はさらに増えていくと考えられます。雇用という形をとらなくとも、フリーランスや副業を選択し自由に働くことができるわけです。
クリエイティブ職の採用を成功させるポイント
クリエイティブ職の採用は、上記の要因もあって従来のような採用活動では難しくなってきています。ニーズの高まりに遅れをとらないよう、優秀なクリエイターやデザイナーを採用するにはどのような対策をしていけばよいのでしょうか。
従来の採用手法を見直す
まずは、従来の採用方法が自社の求める人材を採用する方法として適切かどうか見直しましょう。たとえば、近年はSNSを活用した採用やリファラル採用が注目されています。一般的な求人広告を打ち出す方法だけでは集まりにくい人材も、こうした手法を用いることで新しい出会いとなる可能性も高まります。
デザイナーやクリエイターは独自のつながりや人脈が形成されていることも多いので、うまく活用できれば転職市場にいない人材とも出会えます。優秀な既存社員がいればその社員からの紹介などもよいでしょう。
また、エージェントによる紹介やヘッドハンティングも活用していくべきです。自社で一から人材を探すのは非常に工数がかかる作業ですが、エージェントの力を借りれば要件に合う人材を紹介してもらえるため大幅な工数削減になり担当者の負担軽減にもつながります。
採用計画や要件を見直す
また、改めて採用計画や募集要件を見直すことも大切です。人材を採用したい目的は何なのかを精査し、その目的に合う人材とどのくらい出会えているか、細かいところまで確認してみましょう。
採用計画や要件は具体的なほどよく、採用軸のブレを軽減できます。目標を達成するまでにどのくらいの人数が必要で、あと何%利益を上げる必要があるのか、また期間はどれほどありそのためにはどんなスキルが必要かなど、より細かく洗い出してみましょう。
労働環境を見直し定着度合いを確認する
さらに、優秀な人材を採用できた場合に早期離職や内定辞退を生まないよう、長く自社で活躍してもらうための環境づくりにも注力していきましょう。今、「転職は当たり前の時代」「3年で転職」と考える若い世代が多く、1つの企業で定着することが少なくなっています。しかし、時間とコストをかけて採用した以上できるかぎり長く活躍してほしいものです。
そこで、採用計画や採用手法の見直しなど主な採用活動と並行して、現在の労働環境の見直し・改善も忘れずにおこないましょう。入社後もキャリアを磨ける環境があるか、自身のキャリアビジョンと企業のビジョンの方向性はマッチしているか、誠実で明瞭な評価を期待できるかなど、透明性が高くモチベーションを高く維持しながら仕事ができる環境かどうかも重要なのです。
労働環境や定着率を向上させるには時間がかかるので、できるだけ早く取り組むようにしましょう。
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変化に強い人材を採用できるかがカギに
未だどこか特別で「おしゃれでかっこいい仕事」と思われがちなクリエイティブ職ですが、その制作プロセスはとても地味で時間がかかるもの。変化に強く、自分自身で前進していく力を必要とします。自社の製品・サービスを世の中に広めより自社のファンを増やし事業を大きくしていくために、どんなクリエイターを採用すればいいのか、どのようにして育成していけばいいのか、ぜひ市場が変化している今こそ考えてもらえたらと思います。
クラスでは、クリエイティブ職のほかにもさまざまな職種・業種の人材をご紹介しております。もし、現在人材不足など、なにか採用課題を抱えていらっしゃいましたらぜひお気軽にクラスへご相談いただきたいと思います。弊社は、原則成果報酬制ですので採用が決まるまではコストは発生しませんのでご安心ください。変化を求める今、ぜひ新しい人材の採用をご検討ください。
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