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ポテンシャル採用とは|導入のメリットとデメリット、活用方法は?

「withコロナ」「afterコロナ」と呼ばれる時代となり、企業でも働き方や労働環境の見直しを図っている担当者も多いのではないでしょうか。不安定な社会情勢に加えて、慢性的な問題である若手の人材不足に悩んでいる採用担当者も多いかと思いますが、そこでカギとなるのが 【ポテンシャル採用】です。

今回は、ポテンシャル採用を取り入れるメリットやそれによる効果、また考えておくべきリスクなどをご紹介します。

ポテンシャル採用とは

ポテンシャル採用とは、経験やスキル、分野を問わず、その人材の将来的な成長・活躍を期待して採用することです。そもそも「ポテンシャル」には「潜在」という意味があり、すぐに仕事における成果・成功を期待できるわけではないが将来を期待するという目的でポテンシャル採用をおこないます。

現在、大手企業も新卒採用を中止したり縮小したりしているなかで、このポテンシャル採用を導入・活用する企業が増えてきています。

ポテンシャル採用は何歳までOK?年齢制限は?

ポテンシャル採用は、一般に第二新卒と呼ばれる20代をターゲットとすることが多いですが、明確な年齢制限やルールが規定されているわけではありません。将来性や可能性を秘めた若手人材を採用することを目的としています。

つまり、中途採用やキャリア採用とはちがい、即戦力ではなくとも将来の活躍を期待し潜在能力を評価して採用するという点が大きな特徴です。

なかにはキャリアチェンジする人も多く、未経験職種にチャレンジすることになるため、スキルや経験よりも「今後、自社でどれだけ活躍してくれるだろうか」「人として、ビジネスマンとして、どんな魅力があるのだろうか」という、人柄重視での採用となることが多いです。

関連記事:20代のキャリアチェンジで未経験業界へ転職!失敗しないポイントは?

ポテンシャル採用のメリット

即戦力の人材を採用することができる中途採用とは違いますが、ポテンシャル採用にも大きな魅力やメリットがあります。

  • 優秀な若手を確保できる
  • 研修、教育コストを軽減できる
  • 企業全体の若返りが期待できる
  • 新しい価値観や可能性を期待できる
  • 自社の企業カラーに合った人材育成ができる

ポテンシャル採用は、新卒採用でもなく中途採用でもない、いわばその中間層です。基本的なビジネススキルは持ち合わせているため、新卒採用には必ず必要なビジネスマナーや一般常識を教える必要はありません。その指導に必要な時間や人手を削減でき、新卒採用に比べればスピーディーに業務指導に入ることができます

また、経験や分野を問わず優秀な若手を採用することができれば、若手らしい意見やアイデアを取り入れることができます。これは、企業としても凝り固まった概念や考え方の変革にちょっとしたきっかけをもたらしてくれることもあるのです。企業全体の若返りにもなり、新しい可能性を見出すこともできるでしょう。

さらに、経験やスキルが豊富な中途採用に比べて、前職の企業カラーに染まっていない可能性も高く柔軟性もあり、自社の企業理念や企業カラーに合った人材育成が実現しやすいのも大きなメリットです。

ポテンシャル採用のデメリット

ポテンシャル採用には上記のようなメリットがある反面、リスクやデメリットがあることも理解しておくことが大切です。

  • 成果を出すまで時間がかかる
  • 特別な育成計画の準備が必要になる

ポテンシャル採用は、あくまで将来の活躍に期待して採用する採用手法なので即戦力は期待できません

また、ポテンシャル採用を導入する場合、独自の研修・育成計画を作成する必要があります。分野を問わず業界・職種未経験の人材を採用するため、経験やスキルがなくてもしっかりとキャリアビジョンを描けるような計画を提示するようにしましょう。

研修・育成計画が未完成だと、入社後のミスマッチになりやすく早期退職につながってしまうおそれもあります。

【参考】若手世代の転職活動に対する動向や変化

ここで参考として、若手世代の転職活動に対する動向や変化をご紹介します。下図は「正社員として働いている20代~50代の男女のうち2019年に転職した方」1500名を対象に転職者の動向をまとめたものです。

出典:株式会社マイナビ「マイナビ 転職動向調査2020年版図2

「現在お勤めの会社であと何年くらい働きたいと思いますか」という問いに対し、男女共に20代の若手世代では、約60%~70%前後があと5年以内に転職または退職しようと考えていることがわかります。

これは、裏を返せば”ポテンシャル採用の市場は大きい”とも捉えられます。若い世代において転職活動は活発におこなわれていますが、企業の立場としては「ここでできるだけ長く働きたい」と思ってもらえることが重要です。

「今後のキャリアビジョンを描けない」「ずっとここで働きたくはない」と思われないよう、明確なキャリアパスや評価制度など情報を提供し、労働環境や待遇などを整備することが大切です。

ポテンシャル採用時の評価ポイント

ポテンシャル採用を導入・実施するときは、以下のポイントを評価基準のひとつとしておさえておきましょう。経験やスキルが評価基準とならないポテンシャル採用は、採用担当者によってばらつきがでてしまうことがあります。

  • 成長意欲、向上心
  • 新しい環境への適応能力
  • コミュニケーションスキル
  • 目標やキャリアビジョン
  • セルフコントロール、マネジメント能力

ポテンシャル採用の要である“将来の企業への貢献度”が期待できる人材かどうかを、上記の基準を参考に評価しましょう。

ポテンシャル採用の方法

ポテンシャル採用の方法

採用方法にはさまざまありますが、大切なのは「求める人材にどのような採用方法が適切か」ということです。ポテンシャル採用で考えれば、多くの場合ターゲットは第二新卒となるので、比較的若い世代です。ターゲットに合わせて適切な手法・戦略でアプローチしていきましょう。

SNSやWebサイトを活用する

最近は、中小企業も数々のSNS(オンライン)を活用して企業PRを実施していることも増えましたね。SNSやWebサイトでは、写真やイラスト、デザインなどの効果もあって、文章だけで伝えるよりもよりたくさんの情報をわかりやすく伝えられることができます。

また、企業イメージも伝わりやすく知名度アップにもつながります。実際に、自社の社員に登場してもらったりSNSを使って候補者(求職者)とコミュニケーションをとることができたりすれば、より効果的な採用活動ができるでしょう。

人材紹介を活用する

自社でSNSやWebサイトを活用して企業PRをするほか、外部の力を借りて集客するのもひとつの効果的な方法です。たとえば、人材紹介なら自社と候補者(求職者)の間に仲介役となるコーディネーターがおり、推薦をはじめ採用プロセスにおけるあらゆる業務を代行してくれます。手間のかかる書類の確認や合否連絡なども代行してくれるので、工数を削減できるのがメリットです。

さらに、間に入ってくれることがクッション的役割を果たすこともあります。企業と候補者が互いに交渉しにくいことも代わりにおこなってくれるため、いわば両者の橋渡しのような存在です。企業としては、求める人材像をきちんと伝えておくことで、母集団形成の時点で採用要件に合致した人材とだけ面接をおこなえばいいので、より効率よく採用活動ができます

今だからこそポテンシャル採用は価値がある

今だからこそポテンシャル採用は価値がある

現在、コロナウイルス感染拡大の影響で経済活動が停滞ぎみの状態ですが、業界別にみてみると徐々に戻りつつあるところもあります。しかし、この景況の不透明感は完全に消えたわけではないので、業種・職種によって割合は異なるものの、若手の人材不足はこれからも加速すると予測できます。(参考:帝国データバンク「特別企画: 人手不足に対する企業の動向調査(2020 年 7 月)」)

そのため早い段階からスピード感を持って、企業側がアクティブに優秀な若手の獲得、人材育成を進めることが企業の存続にもつながります。このような時代だからこそ、「企業の長期的な成長と将来性を考えるならポテンシャル採用の利用価値は高い」といってもよいでしょう。

人材不足の解消や次世代の幹部候補の育成だけでなく、コロナ禍での事業存続と更なる飛躍に向けて、ポテンシャル採用の導入・活用を検討してはいかがでしょうか。

クラスなら20~30代を中心にご紹介することが可能です

株式会社クラスでは、ポテンシャル採用のターゲットとなる20代~30代の人材紹介を中心におこなっております。企業様それぞれの採用に関するお悩みを解消し、採用計画に基づいた人材紹介をすることが可能です。幅広い分野の人材から、自社に最適な方を推薦させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。

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